大病院だから出来る医療と大病院だから出来ない医療①

宇都宮 和紫(♂) • 2020年 11月 28日
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 余命宣告までの経緯はひと段落しました。
 次は自宅療養から母が亡くなるまでの経緯を綴っていきたいと思うのですが、その前にセカンドオピニオンやらネット、書籍などで知った情報などを私なりにまとめてみました。
 ただ、これはその情報を元にした、あくまでも私の私見です。

 もしかしたら、間違えている部分もあるかもしれませんし、多少の偏りもあると思います。
 なので、間違えている部分などありましたら、ご指摘頂けると幸いです。

 

 

 大病院だから出来る医療と大病院だから出来ない医療①

 

 病院には大小様々な病院がある。
(正確に言えば、病床数が20以上なければ病院とは呼ばずクリニックや診療所と呼ばれるのですが、分かりにくので病院と統一させて頂きます)

 

 例えば同じ内科にしても、小さな個人の病院や中規模の総合病院、そして国立や県立の大病院とでは設備も違うし、出来る事も変わって来る。
 当然、小さな病院では設備の問題で出来ない治療も、大病院なら可能性となります。

 なので、近くの病院から、大きな病院で検査をした方が良いと紹介状を貰い、そちらで検査をして貰うなどいう事がよくありますし、実際にそういった経験をした方もおられるのではないでしょうか?

 

 しかし、その逆――大きな病院から個人の病院へというのは、あまり聞きません。
 いや、そもそも大きな病院の医師が、みずから他の病院を薦める事はしないでしょう。

 大は小を兼ねるなどと言いますし、個人の病院で出来る事は大病院でも当然出来る。
 ほとんどの方がそう思っていると思いますし、わたし自身も最近までそう思っていました。

 

 しかし、医療に関しては、大は小を兼ねない。当然、大病院だからこそ出来る医療もありますが、大病院だからこそ出来ない医療というのもあるのです。

 

 それはなぜか?

 各病院には、そこで定めたガイドラインがあります。
 そして、大小ほとんどの病院は、厚労省から認可の降りた医療しか行いません。

 更に大きな病院や総合病院の場合、厚労省から認可の降りた医療であっても病院内独自のガイドラインでリクスが高いと判断すれば、その医療は行わないのです。

 

 特に、大きな病院は医師の数も多いし入院患者も多いので、徹底したマニュアルを作ります。
 そして、リスクを最小限に抑えるため、そのガイドラインを高めに設定しているそうです。

 

 更に、同じ規模の大病院であっても、専門によってガイドラインが違って来ます。

 例えば、癌専門の病院や県立、国立のがんセンターだと、切除不可能な膵臓癌に対しての治療には放射線治療を行う場合もあります。
 しかし、ウチの母が入院していたのは大きな総合病院なのですが、コチラの病院では膵臓癌に対する放射線治療は行っていないのです。

 特に膵臓は、近くに胃、十二指腸などの腸管。そして、肝臓、腎臓があり、確かに放射線治療をするには副作用リスクがあります。

 癌のエキスパートが揃うがんセンターなどと違い、母が入院したのは大きな総合病院の消化器外科。更に主治医の先生も消化器外科が専門。

 当然、放射線治療のガイドラインは、がんセンターなどより高く設定されているのでしょう。

 

 そうだったとしても、母の癌が外科手術と抗がん剤の投薬治療で完治出来たのなら何も問題はなかったし、ほとんどのケースではそれで完治出来ているのだと思います。

 

 しかし、そうじゃないケース――

 

 極端な話しですけど、手術後に感染症や合併症を引き起こした場合。
 その場合は、当然そちらの治療を優先して行います。

 

 しかし、その治療中――

 残った癌の進行が深刻化し、放置すれば手遅れになると分かっていても、ガイドラインの中に平行して行える治療が無ければ、何もせず癌の方は放置するしかないのです。

 

 そう、そのガイドラインを少し下げれば、平行して行える治療方法があったとしても……

 

 事実、わたし自身、メールや電話、そしてセカンドピニオンで何人かの先生とお話しさせて頂きました。

 そして、母の場合で言えば術後、肺炎や感染症で高熱が出ている間は難しいけれど、それが治まった後――
 ある程度の食事と点滴で栄養が取れているのであれば、放射線治療は可能だったとの事です。

 

 そう、感染症が治まってから吻合部狭窄が出るまで約二週間。
 病院によっては、この二週間の間に放射線治療が始められていたのです。
 そして、吻合部狭窄が起きた後でも、点滴で栄養補給をしながら放射線治療は続けられるとの事でした。

 

 そもそも、吻合部狭窄の原因は、膵臓癌が大きくなり吻合部を物理的に圧迫しているのが原因です。
 その前に放射線治療を始めていれば、吻合部狭窄自体が起こらなかった可能性もあったはずなのだ……

 

 しかし、母いる病院のガイドラインでは、膵臓に対する放射線治療は出来ず、手術で摘出できないなら抗がん剤治療だけ。
 ただ、抗がん剤治療をするには、自分の足で通院出来る程度に体力が回復していないと始められない。
 そして、母は吻合部狭窄により、食事による栄養補給が出来ず、点滴での栄養補給のみ。
 当然、それでは体力の回復は望めない。
 結果、母に対して行える癌治療はもうないので、諦めましょう。
 という事なのです。

 

 早期発見のステージ1で入院したにもかかわらず……

 ちなみに母は、余命を宣告され終末治療――ターミナルケアになると、あれだけ出来ないと言われていた放射線治療が始まりました。

 

 わたしが、
「膵臓への放射線治療は出来ないのでは?」
 と、主治医の先生に尋ねると、
「緩和ケアとして、痛みを和らげる為の放射線照射なら出来ます」
 と返って来た。

 

 これは被害妄想かもしれませんけど、その言葉がわたしには、
「癌治療には副作用のリスクがあるから使いたくなかったけど、終末治療であるなら副作用を気にせず使えるから」
 という意味に聞こえました。

 

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