余命宣告までの経緯⑧ 検査と話し合い

宇都宮 和紫(♂) • 2020年 11月 25日
4 コメント
4 いいね

▼ここから日記本文を記入してください。

これは母が余命を宣告された日より、わたしが母の闘病生活を思い出しながら、家族としての思いや気持ちを綴った闘病記です。
 
しかし、当然にして家族としての気持ち――わたしの気持ちというはコチラ側から見た一方的なもの。
 医療関係者から見れば、現場を知らない人間の|戯言《たわごと》でしかないのかもしれません。

もし医療に詳しい方、または同じ様な経験をされたご家族の方々から、何かしらのお言葉を頂けたら幸いです。

 

 

 余命宣告までの経緯⑧ 検査と話し合い

 

 八月の終わりに退院して、九月の頭に再入院した母。
 まさにトンボ返りでる。

 

 炎症を抑える為に抗生物質を投与しながら、吻合部狭窄の処置をしていくとの事。

「吻合部が開けば、また食事が摂れる様になるし、そうしたら抗がん剤治療を始めましょう」
 と言う先生。

 

 この時、わたしにそう言った先生は、主治医の先生ではなく代理で来ていた先生だった。

 

 そして、その時にわたしは、もう一度
「抗がん剤ではなく、放射線治療は出来ないのですか?」
 と、尋ねてみた。

 

 結果は、主治医の先生と同じ。膵臓に対して、放射線治療は出来ないと言う。

 

 母の年齢や今の体力を考えれば、身体の負担や後遺症の少ない放射線治療をして欲しかったのだけど……

 

 そう思いながらも、二人の医師から出来ないと断言されたわたし。
 若干、腑に落ちないモノを感じながらも、それ以外、突っ込んで尋ねる事はしなかった。

 

 今思えば、ここも選択肢だったのかも知れない――
 いや、かもではない。最後にして、最大の選択肢だったのだろう。

 

 ここで、膵癌への放射線治療を行っている病院や、吻合部狭窄を得意とする病院への転院を視野に入れる事。
 最悪でも、ここで一度、セカンドピニオンを行っておくべきだったのだ。

 

 しかし、流される様に、元の病院へと入院する母。

 

 吻合部狭窄の治療は内視鏡を使い、狭くなった吻合部へバルーンと呼ばれる特殊な風船を入れて膨らませ、狭くなった所を広げるそうだ。
 色々と調べたけど、どこの病院でも吻合部狭窄の治療はこの方法をとっている。

 

 そして、この処置でダメそうなら、金属の管《ステント》を入れて強制的に広げるそうだ。

 一回広げて治る人もいれば、この処置を何十回と繰り返す人もいる。
 平均して三~四回の処置で治るらしい。

 

 処置としてはどこの病院でも同じだけど、このバルーン処置をどのくらいページで行うかは、病院や医師によってまちまちだ。

 ただ、ほとんどの医師が、一回目で治らなければ二回目を行い、その経過(どのくらいのスピードで閉じていくか)を見て行うペースを決めるという。

 

 そして母に関しても、そこまでは確かに同じだった。

 入院してすぐにバルーン処置を行った母。しかし、広げた吻合部は、四日ほど閉じてしまった。
 そして、二回目のバルーン処置。今度は、二日で閉じてしまったらしい……

 

 その結果を見て、閉じるまでのペースが少し早いから、今後どうするかを先生達で集まり話し合いを行うとの事だ。

 

 ちなみに、開いている間は食事が摂れるけど、閉じてしまうと口からの水分補給すら出来なくなるという。
 それどころか、腸へと繋がる吻合部が閉じているという事は、胃にどんどんと胃液が溜まってしまうのだ。

 

 ただでさえ、胃の切除を行い小さくなった胃袋。母は、一日に何度も胃液を吐き出したという……

 

 そして、ようやく次の処置をどうするかが決まった。
 医師達の話し合いの結果、バルーン処置を止め、金属のステントを入れる事にしたそうなのだ。

 

 それはいい。内視鏡で入れるバルーン処置は、結構苦しくて痛みもある。
 なので母自身、何度もバルーン処置をするくらいなら、ステントを入れて欲しいと医師に訴えていたらしいし。

 

 ただ問題なのは、この結果が出たのが、二回目のバルーン処置から二週間以上も経ったあという事。
 そう、この二週間は、何の処置をされる訳でもなく、点滴で栄養補給をしながら、ただ胃液を吐くだけの二週間だったのだ。

 

 当然、何かを食べる事も出来ず、水を飲んでも吐きだすだけ。
 ただ、水を飲まなければ、泡の様な胃液を吐き出す事になるので、吐く為に水を飲んでいたと言う母……

 

 この間、一度だけ、わたしに面会の許可が出た。

 元々、少々ぽっちゃり気味だった母。
 しかし、そんな母は見る影もなく、指などはまさに骨と皮だけと言った感じだった。

 

 ステントを入れるなら早く入れて欲しいと、母は主治医に何度も訴えていたという。
 しかし、
「今、その事を、先生が集まって話し合っているから」
 と言われ、結何の処置もしてもらえてないと、母はずっと愚痴を言っていた。

 

 先生達は先生達で、色々と考えてくれてはいるのだろうし、何かしらの理由もあるのかもしれない。
 ただ、二週間も話し合いをするのなら、そのあいだもバルーン処置を続けて欲しかったと思う。

 

 確かに二日くらいで閉じてしまうのかも知れない。
 しかし、病院によっては、このバルーン処置を週にニ~三回のペースでやる所もあり、それを続ける事で症状が回復した例がいくつもある。

 

 それに、わずかな時間かもしれないけど、開いている間は食事も摂れるし水も飲める。
 何より、胃液を吐き出さずに済むのだから……

 

▲こちらのテキストは削除してください。

膵癌 胃癌 肝臓転移